「スマートフォンでインターネットを利用するのに、特別なことを何もしなくても、契約しているスマホが使えるのに、何故?光回線等の別の手段を用意する必要があるの?」
という疑問をお持ちの方、実は意外に多くいらっしゃいます。簡単にご説明するのは難しいのですが、結論から言えば「お得」だからです。
たとえば家族4人で携帯電話会社の回線を利用しているのは、高速道路を大型バイク(大容量プラン・無制限プラン)4台で疾走している様なものです。家族別個の高速料金と高い維持費が掛かり、風の影響を受けることもあり、雨が降れば濡れることも有ります。
光回線を導入すれば、高速バス(自宅Wi-Fi環境)に家族4人で乗るため、大幅に掛かる費用が削減出来ます。高速バスから降りて移動する時には(外出時)、小型の原付バイク(小容量プラン・格安SIM)で移動するため不便はありません。
ただ、高速バス(自宅Wi-Fi環境構築)には種類があり、利用するエリア・建物の状態等によって利用出来ないタイプが有ります。
それぞれの回線種類を解りやすく解説しながら、導入出来ないケースでの対処方法も説明します。
インターネット利用の回線は、光回線が最適
光回線は本来俗称であり、正確にはFTTH(Fiber To The Home)という通信サービスです。
ガラス繊維で出来ている、光ファイバーケーブルを使った通信回線で、従来の銅線と比較して、より多くのデータを、距離による毀損が無いまま、やりとりが可能な最も速い通信回線です。基本的に利用量の制約が無く、自由に無制限に利用する事が出来ます。
光回線の敷設には莫大な資本はもちろんですが、回線を張り巡らせるのには、電柱が必要になります。そのため、実際に光ファイバーケーブルの敷設は、NTT(電話線の電柱)・各地の電力会社(電線の電柱)・各地のケーブルテレビ(有線の電柱)で大半を占めています。
実際に敷設されている光回線の種類は、それほど多くは有りません。
光回線のシェア
ICT市場専門のリサーチ会社、株式会社MM総研の2021年3月発表のデータによれば、全国的に広く普及しているのは、NTTグループ(NTT東日本+NTT西日本)の2256.4万件であり、そのシェアは半数を大きく超える7割弱に達しています。
(出典:MM総研)
グラフ中のその他は、限られたエリアでのサービス展開です。
KDDI(au)もNTTグループに続くシェアですが、実際に施設した光ファイバーケーブルのエリアは限られていて、大半のエリアはNTTの光ファイバーケーブルを使用していて、「ダークファイバー」と呼ばれる、NTTで使われていない部分を利用しています。
ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する光回線「NURO光」も、auと同様にNTT光ファイバーケーブルを利用した「ダークファイバー」を使っています。
光回線ケーブルが近くまで来ているか、建物に引き込まれている必要がある
利用したい回線が、提供エリアになっている必要が有ります。マンション集合住宅では、建物の共用部分まで引き込まれている回線しか利用出来ません。
提供しているエリアは、サービスごとに異なります。実際のエリアはサービスを提供するサイトで検索するか、電話で問い合わせる必要が有ります。市町村単位でエリアになっていても、必ずしも全域がカバーされていない事もあります。
代表的な回線として
を利用して、住所から導入可能か調べることが出来ます。
日本で最も広いエリアでサービスを提供しているのは、NTTが敷設した「フレッツ光」です。マンション集合住宅にも、最も多く導入されている「フレッツ光」のシェアは圧倒的です。
NTT西日本エリア
富山県 / 石川県 / 福井県 / 岐阜県 / 静岡県 / 愛知県 / 三重県 / 滋賀県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県 / 鳥取県 / 島根県 / 岡山県 / 広島県 / 山口県 / 徳島県 / 香川県 / 愛媛県 / 高知県 / 福岡県 / 佐賀県 / 長崎県 / 熊本県 / 大分県 / 宮崎県 / 鹿児島県 / 沖縄県
NTT東日本エリア
北海道 / 青森県 / 岩手県 / 宮城県 / 秋田県 / 山形県 / 福島県 / 茨城県 / 栃木県 / 群馬県 / 東京都 / 埼玉県 / 千葉県 / 神奈川県 / 山梨県 / 新潟県 / 長野県
「フレッツ光」だけを契約しても、インターネットの利用は出来ません。フレッツ光は光回線であり、プロバイダと呼ばれる接続業者と契約して、初めてインターネットの利用が可能になります。
出典:NTT西日本*一部改変
しかし、現在ではこの2箇所に契約する手段は、個人ではメリットが有りません。現在の個人契約の中心は、「光コラボ」という契約が主流で、契約先が一箇所で済みます。
出典:NTT西日本*一部改変
NTTは「光コラボ」の販売取り扱いはありません。光コラボ事業者がNTTへの回線使用料支払いも行うスタイルになるので、ユーザーがNTTと直接契約はしません。
「光コラボ」を扱う事業者は、現在、NTT東日本エリアで530社・NTT西日本エリアで235社が有ります。
お住まいのマンション集合住宅に、「フレッツ光」回線が共有部分まで引き込まれていれば、この「光コラボ」を扱うサービスを自由に選ぶことが出来ます。
戸建てでも「フレッツ光」の対象エリアなら、自由に選んで「光コラボ」のサービスが利用出来ます。
光回線を導入するならオススメの光コラボは「@TCOMヒカリ」
(出典:@TCOMヒカリ申込サイト)
光回線を導入して快適なWi-Fi環境を作り、スマートフォンとのセット利用で通信費全体をお得に使うなら、光コラボの中でも実質料金が安くてセット割が充実した「@TCOM(アットティーコム)ヒカリ」がオススメです。
@TCOMヒカリは自社データセンターを保有し、自社光ファイバーケーブルを運用するなど、単にプロバイダとしてだけで無く、豊富な技術力が有り人気があります。
@TCOMヒカリの月額料金は、一戸建てタイプで5,610円・マンションタイプで4,180円です。
@TCOMヒカリをオススメできる理由
工事費無料
光回線の導入には工事が必要で、実際に技術者や工事業者が動く為、工事費が掛かります。@TCOMヒカリの場合、最大19,800円の工事費が掛かりますが、工事費が無料になるキャンペーンを行っています。
キャッシュバック
新規契約だけのオプション無しで、戸建てタイプ35,000円・マンション集合住宅タイプで33,000円のキャッシュバックが受けられるキャンペーンを行っています。
Wi-Fiが使える無線Wi-Fiルーターを選ぶ事も出来ます。
12ヵ月の間、月額料金割引
契約から12ヵ月間、月額料金が割り引かれます。戸建てタイプで5,610円が12ヵ月間は5,170円になり、マンション集合住宅タイプでは、4,180円が12ヵ月間は3,850円になります。
au系列のスマホ利用ならお得に
現在、au系列のスマホを利用なら、auスマホの「auスマートバリュー」、UQモバイルの「自宅セット割」が利用出来ます。スマホ1台あたりの割引きが受けられ、継続してお得になります。
(出典:UQ mobile公式サイト)
家族で複数台利用していれば、大きなメリットになります。
格安SIM「LIBMO」がお得に使える
(出典:LIBMO公式サイト)
データ容量 | データ+音声通話+SMS | データ+音声通話+SMS +10分かけ放題 |
@T COMヒカリ 月額割引額 |
3GBプラン | 980円(税抜891円) | 1,750円(税抜1,591円) | 220円(税抜200円)/月割引 |
8GBプラン | 1,518円(税抜1,380円) | 2,453円(税抜2,230円) | 220円(税抜200円)/月割引 |
20GBプラン | 1,991円(税抜1,810円) | 2,926円(税抜2,660円) | 220円(税抜200円)/月割引 |
30GBプラン | 2,728円(税抜2,480円) | 3,663円(税抜3,330円) | 220円(税抜200円)/月割引 |
キャリアのオンライン専用プランは、細かい容量プランの設定をしていません。たとえばLINEMOの容量3GBで不足する場合、20GBを選択するしか有りませんが、LIBMOでは8GBプランも用意しています。20GBのプランでも、ahamo・povo・LINEMOよりも安価になります。格安SIMでは珍しい、30GBプランも用意されています。
@TCOMヒカリと組み合わせて利用する事で、LIBMO1契約につき220円の割引きが受けられます。光回線とスマートフォンを組み合わせて、長期に渡ってお得に利用できます。
光回線の工事が出来ない場合もある
光回線を利用するには、工事が必要
光回線を利用するのには、基本的に工事が必要になります。
回線業者によって変わりますが、申し込んでから実際に回線工事を行い、光回線が開通するまでの期間は、概ね1ヵ月程度になるケースが多くなっています。
3月・4月の春先や9月10月の秋口頃、引っ越しシーズンで人が動く時期には、開通までの時間が大幅に伸びる可能性があります。
工事には立ち会いが必要で、回線によっては宅内工事と宅外工事が別日になっている事もあり、仕事などの様々な都合を考慮して日程調整すれば、さらに開通日は遅くなっていきます。
インターネット回線の確保に時間が掛けられないケースでは、光回線以外の手段を検討する必要が有ります。
また、光回線を希望しても、開通工事が出来ない事もあります。
具体的な事例を確認しておきましょう。
工事が出来ないケース
マンション集合住宅の場合は、共有スペース内まで光ファイバーケーブルを、近くの電柱から引き込む事が必要になります。
工事を行う為には、賃貸物件なら大家さん・購入物件なら管理会社の許可と住民の同意が必要になってきます。時間や手間も掛かり簡単には出来ませんが、同意と許可が取れれば工事をする事は可能です。
しかし、建物に構造上の問題(たとえば共有スペースに、回線設備機器を置く場所が無いケースや、配管をする事が出来ない為に光ケーブルを引き込む事が出来ない等)が有る場合は、回線工事を行う事は現実的に困難です。
さらに、共有スペースから各戸への配線工事も必要になり、こちらも大規模な工事になるため、必ず同意と許可を取らなくてはいけません。また、建物の構造上の問題で配線が出来ないケースもあります。
光回線未導入の小規模なマンション集合住宅では、戸建てと同様の回線を個別に引き込む事が出来るケースも有ります。共用スペースを使用しないため、導入へのハードルは低くなりますが、管理会社・大家さんの許可が必須です。
こちらも建物の構造上の問題で、導入不可のケースも有ります。
その場合、光回線以外の手段を検討する必要が有ります。光回線に次ぐ、回線速度と安定性があるのは、据え置き型無線ホームルーターです。
据え置き型無線ホームルーターなら工事不要
据え置き型無線ホームルーターは、回線工事が必要無く、コンセントを差し込むだけの手軽さで、インターネット回線の確保が出来ます。
光回線には及びませんが、通信速度が安定して、家族で利用することも問題無く、接続出来る制約も少なく多くの機器タイプの接続が可能で、有線接続もOKです。
キャリア大手3社からサービスが提供されています。
ドコモ home 5G HR01
(出典:GMOとくとくBB ドコモ home5G)
〇月額料金 4,950円
〇本体価格 39,600円 (月々サポートで毎月分1,100円割代金分を36回割引で実質無料)
Speed Wi-Fi HOME 5G L12
(出典:UQ WiMAX公式)
〇月額料金 1・2年目4,268円 3年目以降4,818円
〇本体価格 5,938円
SoftBank Air
(出典:SoftBank Air 公式)
〇月額料金 5,368円
〇本体価格 71,280円 (月々割で毎月分1,980円割代金分を36回割引で実質無料)
キャッシュバックを加味した上で、実際に掛かる月額実質料金を計算してみましょう。
ドコモ home 5G | WiMAX +5G | ソフトバンクエアー | |
基本月額 1年目 | 4,950円 | 4,268円 | 3,080円 |
基本月額 2年目 | 4,950円 | 4,268円 | 5,368円 |
基本月額 3年目 | 4,950円 | 4,818円 | 5,368円 |
3年間合計金額 | 178,200円 | 160,248円 | 165,792円 |
キャッシュバック | 18,000円 | 5,938円 | 33,000円 |
3年間実質合計 | 160,200円 | 154,310円 | 132,792円 |
実質月額料金 | 4,450円 | 4,286円 | 3,688円 |
実際に支払う実質の月額料金を比較すれば、「ソフトバンクエアー」が最も安く利用出来ます。
据え置き型無線ホームルーターの導入なら、ソフトバンクエアーをオススメします。
単身世帯や、家族が居てもインターネット回線が必要なのは自分だけ、というケースでは、もう少し手軽な手段も有ります。
モバイルWi-Fiルーターなら工事不要で持ち運びも可能
モバイルWi-Fiルーターは、コンパクトなサイズに収まっていて、持ち運びが出来るWi-Fi基地局です。
当然工事不要で、自宅でインターネット回線として利用するだけで無く、外出時には鞄に忍ばせておくだけで、自分だけのWi-Fi環境も一緒に付いて回ります。
モバイルWi-Fiルーターのメリット
スマートフォンだけでなく、パソコンやタブレットの機器もWi-Fi接続が何処でも出来て、インターネット利用が可能になります。
導入すれば、スマートフォンのインターネット利用はモバイルWi-Fiルーター接続になるため、従来から契約している携帯電話会社の回線は、基本的に利用しないことになります。
3大キャリアの回線を利用しているなら、この際に安いプランに移行するのではなく、オンライン専用プラン「LINEMO」を利用すれば、非常用の3GBを保険に持っていても、月額利用量は990円で収まります。「povo」ではデータ利用をしなければ、基本的に利用量は無料です。格安SIMでは、「OCNモバイルONE」なら0.5GBプランが550円で利用出来ます。
これらの安価なプランに移行して、モバイルWi-Fiルーターと組み合わせる事で、キャリアの提供する無制限・大容量プランを契約しているよりも、月額通信料は安くなるケースが圧倒的に多くなります。スマートフォンだけでなく、利用出来る機器の範囲も広がります。
モバイルWi-Fiルーターのデメリット
外出時には、普段スマートフォン一つで持ち歩けたのに対して、別の機器を持ち歩く必要が有る手間が発生します。
当然充電する機器も増え、手間が増えます。うっかりモバイルWi-Fiルーターの充電を怠ると、インターネット回線難民になるか、非常に割高なキャリア回線を利用するしかなくなります。
モバイルWi-Fiルーターには、月の通信容量が決まっているキャリア回線を利用するタイプと、WiMAX回線を利用する通信容量無制限のタイプがあります。
月の容量が決まっているタイプでは、容量の大きさで月額料金が変わってきます。
WiMAX回線タイプでは、月の通信量は無制限でも、3日間で10GBまたは15GBの容量制限が有り、WiMAX回線は通常のキャリア回線とは周波数帯が異なるため、場所によっては電波が入りにくくなり、そのようなエリアではau回線も利用出来ますが、別料金が発生する上に、月の通信量も制限されます。
最も大きなデメリットは、光回線や据え置き型無線ホームルーターと比較して、回線品質が落ちることです。
無線形式は、利用する場所によって電波が影響を受けることが多く、不安定になる事が避けられません。それをコンパクトな筐体の中に有る、コンパクトなアンテナで受信する事しか出来ないため、積極的にオススメする事は出来ません。
具体的な数値を見てみましょう。
モバイルWi-Fiルーターの通信速度品質
通信回線のクオリティとして、回線速度が有りますが、サービス提供者が出している通信速度は数値上の理想値で有り、現実的に出る速度ではありません。
速度と並んで指針になるのは、ping値です。Ping値は、回線のレスポンスを表す物で、数値が小さいほど応答反応速度が早く、通信環境に大きく影響します。
実際に利用者が計測している、みんなのネット回線速度を見てみましょう。
Rakuten WiFi Pocketの通信速度レポート
直近3ヶ月に計測された852件のRakuten WiFi Pocketの測定結果から平均値は
平均Ping値: 49.35ms
平均ダウンロード速度: 19.74Mbps
平均アップロード速度: 14.77Mbps
になっています。
一般的にping値は50ms程度までなら、実用に耐えると言われています。
光回線の「@TCOMヒカリ」の数値も見てみましょう。
@TCOM(アットティーコム)ヒカリの通信速度レポート
直近3ヶ月に計測された5801件の「@TCOMヒカリ」の測定結果から平均値は
平均Ping値: 17.52ms
平均ダウンロード速度: 262.84Mbps
平均アップロード速度: 197.66Mbps
になっていて、比較にならない速度と反応速度になっています。
オススメのモバイルWi-Fiルーター
ここまで述べてきたように、インターネット利用の主回線としては、積極的にモバイルWi-Fiルーターをオススメはしません。
単身者のユーザーで、スマートフォンの利用料金を削減する目的なら、選択肢の一つになります。
楽天モバイル Rakuten WiFi Pocket
(出典:楽天モバイル公式)
楽天モバイル | 3GB | 20GB | 無制限 |
月額料金 | 1,078円 | 2,178円 | 3,278円 |
契約期間の縛りが無く、利用容量に制限が掛からない、モバイルWi-FiルーターはRakuten WiFi Pocketです。
何らかの理由で利用しない時には、月額料金が安くなる事もメリットです。しかし、問題も有ります。楽天モバイルは、日本で最も新しい自社でアンテナ回線設備を持つMNOキャリアです。
料金体系はスマートフォンと同一のRakuten 最強プランで、無制限に利用出来ます。
クイックWiFi
(出典:クイックWiFi公式)
WiMAX系は通信速度が早く人気が有りますが、回線周波数帯の特性から繋がりが悪くなる場所も有り、自宅屋内での利用には支障が出るケースがあります。
無制限を標榜していますが、実際には3日間で10GBの制限が存在していて、主回線に利用するのには、積極的にオススメ出来ません。
通信容量制限の無い、クイックWiFiがオススメです。
月間に100GBのデータ容量制限はありますが、使い方に制限が設けられていないため、多くの方にとって、事実上の使い放題になります。
3キャリアに対応するクラウドSIMタイプで、物理的なSIMを搭載していません。
日本中どこでも、docomo・au・SoftBankの電波の中で最適な電波を利用するため、場所を選ばず繋がる安心感があります。
過去にdocomoの通信障害が発生した事は記憶に新しく、そんな事態にもクラウドSIMなら対応する事が出来ます。
月額費用は3,718円です。
スマートフォンのテザリングを利用の様な、20GB等の容量制限が無く、多様な機器を接続しても毎月100GBを自由に利用出来ます。