自宅のインターネット回線には、光回線が最適です。データ使用量の制限が無く、安定したスピードと回線品質は、他の回線方式と比較して群を抜いています。
光回線を導入するには、専門業者による工事を避けて通れません。
工事を予約しても、即開通にはなりません。工事をするマンパワーには限界があり、こちらの日程と擦り合わす事も必要です。そのため、予約を入れてから実際に回線が開通するまでに、数週間から場合によっては2ヵ月程度の時間が掛かる事もあります。
これから「新しく光回線を導入しよう」と考えている方や、引っ越し先にも「直ぐ光回線を導入したい」方や、もっとおトクに通信費を抑えたいので「光回線を変更したい」、今の光回線速度に不満があって「光回線を変更したい」等、新しく光回線を入れたい理由は色々あります。
時間も手間も費用も節約出来る、マンションで光回線が工事不要で導入出来るケースを、事例別に解説します。
マンション集合住宅の光回線の現状
賃貸物件でも購入物件でも、顧客獲得競争は激化しています。未来については、不確定要素も多く本来は誰にも解らないのですが、一つハッキリしているのは人口減少についてです。
世帯数は確実に今後減少していく事が明らかで、マンション集合住宅の新規着工件数は比較的安定傾向であることから、販売者・貸主にとっては物件の価値を上げることに余念がありません。
現代人にとって、インターネット回線は不可欠になっています。電気・ガス・水道と共に、生活の一部であるインフラになっているといっても、過言ではありません。
入居を考えているユーザーの物件検討材料に、インターネット回線の有無は大きな要因になっています。そのため、インターネット対応物件が増加しています。
物件内容を確認する中に、「光ファイバーがMDFまで来ている」と明記があれば、確実に光回線が建物に引き込まれている事になります。これが工事不要で導入出来る可能性の確認、第一段階です。
各戸までの配線方式の種類
共有部分まで回線が引き込まれていれば、少なくとも大がかりな導入工事は必要ありません。しかし、回線が各戸まで配分されているのか、されていないのか?を確認する必要があります。配分されているケースでも、以下の様に内容が異なります。
(出典:NTT東日本公式ページ*一部省略しています)
光配線方式
新しいマンション集合住宅はこの方式が多くなっています。MDF内のスプリッタで振り分けられた回線は、そのまま各戸まで光ファイバーケーブルで繋がれて、各戸内に回線終端装置を設置します。
もっとも安定して速く、マンション集合住宅において現状はベストな方式です。1Gbpsの光回線が来ていれば、理論上安定して1Gbpsの速度が出ます。
簡単な見分け方として、「部屋に光コンセントの有無」を確認してください。光コンセントが有れば、光配線方式の設備が導入されている可能性が高いです。
(出典:ソフトバンク光公式サイト*一部改変しています)
VDSL方式
比較的古い時期に光回線が導入されたマンション集合住宅に見られる方式です。MDF内に有る集合型回線終端装置の先にVDSL集合装置が設置されていて、そこから各戸までは電話線に変換して回線を結んでいます。
各戸では、電話用モジュラージャックからVDSL宅内装置に入り、ルーターに接続します。
LAN配線方式
ちょっと前に建てられたマンション集合住宅に多い方式です。MDF内に設置された集合型回線終端装置から、各戸にLANケーブルで繋ぎます。各戸ではLAN用のモジュラージャックが備えられ、ルーターに接続します。
新規契約で工事不要になる2つの回線方式
上記にある3つの中で、光配線方式が既に設置してある場合は、無派遣工事で開通が可能な可能性が大です。コンセントが有っても利用できないケースもあり、光回線の事業者に確認が必要です。VDSL方式も無派遣工事で開通出来る可能性があります。
マンションの構造や事情もあって一概には言えませんが、出来れば工事費が掛かっても光配線方式に変更することも検討してください。回線のベストパフォーマンスが出せないからです。
VDSL方式では、最大の速度が100Mpbsのケースが多く、1Gbpsの光回線が引き込まれていても、速度に大幅な制約が掛かります。また入居者が多いマンション集合住宅の場合、この方式で同時に回線使用者が多数重なった場合は、さらに回線速度が落ちる可能性があります。
LAN配線方式は、設置されているケーブルのスペックに回線速度は大きく依存します。そのままでも利用できるケースも有りますが、光配線方式の工事をして変更する事をオススメします。
光回線の運営企業は?
光回線が引き込まれているマンションでは、比較的簡単に光回線が開通出来て、工事が不要なケースも多いですが、契約前にどこの回線が入っているか?を確認する必要があります。
NTT東日本・NTT西日本
日本の光ファイバー回線の設置は、NTT東西から始まっています。そのため占めるシェアもNTT東西が圧倒的で、多くのマンションにNTT東西が運営する光回線「フレッツ光」が導入されています。
フレッツ光以外にも、光ファイバーケーブル回線を設置している業者は複数有ります。エリアはNTTと比較すれば限定されています。以下、代表的な回線です。
NURO光
NURO光は、少々特殊な回線です。光ファイバーケーブル回線自体は、NTTの回線を使っています。
NTTの回線を使ってはいますが、回線管理や契約手続きなど全て独立していて、NURO光が行っています。光コラボとは異なります。プロバイダはSo-net限定です。
ダークファイバーと呼ばれる光信号が通っていない心線を利用して、NTTとは異なる特殊な方式「G-PON」を導入した独自の設備を使い、下り速度2Gbpsに標準対応しています。理論上ですが、一般的なNTTの回線の2倍の速度で通信が可能です。
サービス提供は、北海道・関東・東海・関西・九州の一部エリアだけに限られています。
auひかり
NTT東西に次いで、全国的に使えるエリアが広がっています。自社で回線を運用するエリアはごく一部ですが、前述のNURO光と同様にNTTフレッツ光のダークファイバーを利用しています。
対応エリアは少々複雑で、戸建てのホームタイプとマンション集合住宅タイプでは対応エリアが異なっています。
愛知県・静岡県・岐阜県・三重県・福井県の東海北陸エリアと、兵庫県・大阪府・京都府・奈良県・和歌山県・滋賀県の関西エリアでは、戸建てホームタイプの申込みを受け付けていません。
マンションタイプはエリアに関係なく、auひかり回線が引き込まれているマンションでは利用できます。(対応物件はまだ少ないのが現状です)
コミュファ光
東海地方を中心にサービスを展開している、電力系回線です。中部電力系の中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)が運営しています。
前述の2つとは異なり、完全に独立した回線網を設置しています。そのためフレッツ光系が混み合っても、一切の影響を受けません。
対応エリアは、愛知県・静岡県・岐阜県・三重県・長野県ですが、全域では無く限られた地域でのみ対応しています。
eo光
関西エリアを中心にサービスを展開しています。完全に独立した回線網を設置しています。
格安SIMのmineoを運営している、株式会社オプテージが提供している光回線です。対応エリアは、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県・福井県です。
ピカラ光
四国電力のグループである株式会社STNetが運営しています。完全に独立した回線網を設置しています。
対応エリアは、徳島県・香川県・愛媛県・高知県の四国限定です。
MEGA EGG
中国地方を中心にサービスを提供している電力系回線です。完全に独立した回線網を設置しています。
対応エリアは、広島県、山口県、岡山県、島根県、鳥取県です。
BBIQ
九州地方でサービスを提供している電力系回線です。完全に独立した回線網を設置しています。
対応エリアは、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県です。
auひかりちゅら
沖縄県限定でービスを提供しているKDDI系列の光回線です。
ケーブルテレビ系
全国の各エリアにある、ケーブルテレビのサービスを行っている会社がインターネット回線を提供しています。以前はテレビ放送を送る回線を利用して、インターネット回線のサービスを行っていましたが、光サービスを行う様に変わってきています。
マンションに導入している回線を利用する
基本的にマンションに引き込まれている回線を利用する事で、工事不要か簡単な工事のみで光回線が開通出来ます。マンションによっては、複数の回線が引き込まれているケースもあり、その場合は自分にとってメリットの有る回線を選ぶ事も出来ます。
マンションに引き込まれている回線は、NTT東西のフレッツ光が圧倒的に多くなっています。フレッツ光が導入済みのマンションでは、利用にあたり2通りの契約方法があります。
フレッツ光を利用した契約は2種類
フレッツ光はNTT東西が提供する光回線ですが、インターネットを利用するためには、別途プロバイダ契約を行うか、プロバイダがセットになっている「光コラボ」を契約するかの、2通りの利用方法があります。
フレッツ光+プロバイダ契約
フレッツ光は光回線の提供のみで、ユーザーは別途接続業者(プロバイダ)と契約を結ぶ必要があります。
出典:NTT西日本*一部改変
現在は、個人でフレッツ光+プロバイダ契約をするメリットは、殆ど有りません。2015年2月より、「光コラボ」サービスが開始されて、個人の契約は光コラボが主流になっています。
光コラボ
光コラボは、光コラボレーションを略した呼び方です。光コラボを提供する沢山の事業者は、NTT東西からフレッツ光回線の卸での提供を受けて、プロバイダ機能と独自のサービスを組み合わせて販売します。
フレッツ光+プロバイダ契約では2箇所に分かれた契約が、光コラボ事業者1社との契約でインターネット光回線が使用出来るようになります。
出典:NTT西日本*一部改変
フレッツ光が導入されているマンションでは、光コラボで契約するケースが圧倒的に多くなっています。ユーザーの契約先はNTT東西ではなく、回線業者だけになります。
乗り換えで工事不要のパターンは?
現在光回線を既に利用していて、乗り換えを検討する場合は、フレッツ光+プロバイダ契約をしている方が光コラボに乗り換えるケースと、光コラボの契約先を変更するケースでは、基本的に工事は不要になります。
転用
「フレッツ光+プロバイダ」の契約で利用している方が、光コラボに乗り換える事を「転用」と言います。
乗り換えるメリットとしては、光コラボにすることで月額支払い料金が安くなるケースが多くなる事が一番の理由です。また、顧客獲得競争の中心が光コラボになっているため、キャッシュバック等の特典を受けられます。
契約を変更しても、新たな工事は不要で現在使っている「お客さまID」「ひかり電話番号」は、そのまま利用できます。ネット回線の使えない期間も発生しません。
事業者変更
「光コラボ」を契約している方が、他の光コラボ事業者に乗り換える事を「事業者変更」と言います。
契約を変更しても、新たな工事は不要で現在使っている「お客さまID」「ひかり電話番号」は、新しい回線業者に連絡すれば、原則そのまま利用できます。ネット回線の使えない期間も発生しません。
事業者変更することで、キャッシュバックなどの特典を受け取れる他、携帯電話の契約を見直すことで通信費全体を見直すことが出来ます。
他の回線からの変更の場合は?
他の回線、たとえばNURO光を利用していてau光や光コラボに変更する場合は、基本的に工事が必要になります。しかし、光コンセントが既に設置されていて、複数の光回線が建物に引き込まれている場合等は、工事不要で乗換が可能になるケースがあります。事業者にお尋ねください。
その場合、新たに乗り換えた光回線が開通してから、旧回線を解約する事で、インターネット回線が使えない期間が生じません。
乗り換えるなら通信費全体の見直しと、特典に注目!
より快適な通信環境を構築するだけで無く、通信費全体も見直しましょう。選ぶポイントを羅列してみます。
携帯電話
通信費の中で、携帯電話会社への支払いが大きくないですか?Docomo・au・SoftBankを家族で利用している場合、簡単に月額数万円になります。
格安SIMに家族で変更すれば、大幅に通信費を減らすことが可能です。変更する回線と格安SIMがセットに出来る事業者なら、通常でも安い通信料から更に割引を受ける事が出来ます。
キャッシュバック等の特典
キャッシュバック等のメリットを享受出来れば、通信費全体に換算して、結果的に支払いを抑える事が出来ます。
光コラボを契約する場合、どこで契約しても回線クオリティやサービスは同じです。家電量販店等の窓口や携帯電話ショップでも受け付けています。
しかし、実際に店舗を運営している窓口では、家賃・人件費・光熱費・広告宣伝費等の経費が掛かっているので、キャシュバック等の特典に回せる財源が限られてしまいます。経費の掛かっていないオンライン契約が、多くの特典を享受出来る可能性があります。
回線業者の公式ページから申込みも出来ますが、正規代理店なら独自の特典の他に、公式ページの申込み特典も併せて受け取ることが出来るのでおトクです。
おトクな光コラボの契約
具体的に大きなメリットのある、光コラボをご紹介します。
@T COM(アットティーコム)ヒカリ
(出典:@TCOMヒカリ申込サイト)
自社データセンターを保有し、自社光ファイバーケーブルを運用するなど、単にプロバイダとしてだけで無く、豊富な技術力が有り人気があります。
マンションタイプの月額料金は、プロバイダ料込みで4,180円です。
ドコモ回線の格安SIM「LIBMO」の割引が受けられます。
(出典:LIBMO公式)
3GB/月で月額980円・8GB/月で月額1,518円・20GB/月で月額1,991円・30GB/月で月額2,728円です。
この金額から、LIBMO1回線につき220円の割引が受けられます。
ただいま、最大50,000円のキャッシュバックキャンペーンを行っています。キャッシュバックキャンペーン詳細については、以下をご覧ください。
乗換で違約金が発生する場合は?
契約している回線を解約する場合、使用期間によっては違約金や撤去費用が発生する場合があります。具体的には数万円から10万円近くになるケースもあります。
回線品質に不満があったり、特典狙いであったりしても、乗り換えるのに大きな違約金が発生すると躊躇しますが、それを解決する手立てがあります。急な引っ越しの場合も同様ですね。
そんな時にオススメするのは、光コラボのSoftBank光です。
ソフトバンク光
(出典:ソフトバンク光申込サイト)
光コラボの中でトップクラスの人気を誇るソフトバンク光です。
他社からソフトバンク光に乗り換える場合、他社への違約金・撤去費用等が満額還元(最大10万円)されます。
キャッシュバックキャンペーン詳細については、以下をご覧ください。
回線速度にこだわるなら?
現在、光回線の主流スピードは1Gbpsです。
プロバイダによっても回線品質は変わりますが、根本的に回線が持っている以上の速度は出ません。根本的に回線スピードを上げるなら、NURO光がオススメです。
NURO光
参考:NURO公式サイト
提供エリアはまだ限られていますが、NURO光では普及タイプのNURO光G2Vでも、理論上は2倍である2Gbpsの速度が出ます。
一本の光回線を多くの加入者で使う技術として「PON」があります。
日本で展開する多くの回線提供業者は、「GE-PON」という技術を使っていますが、NURO光は「G-PON」を採用しています。GE-PONの通信速度が最大1Gbpsなのに対して、G-PONの通信速度は最大下り2Gbpsの速度になります。
NURO光のサービスエリアの詳細は公式サイトで確認できます。
参考:NURO公式サイト