幼少の頃に読んだ「シンデレラ」で、子供ながらに違和感が残りました。
「何故?12時を回って魔法が解けて、馬車はカボチャに戻ったのをはじめ全部元に戻ったのに、王子様が見つけるガラスの靴だけどうして?そのままだったの?」
問いかけた親の返答は
「なんでだろうね?お話しだからかな」
という内容に、悶々とした記憶があります。
「王子様に見つけて貰って、良かったね!」
で、終わってしまっても全く問題は有りませんが、実は真実は別の所にある事も多いです。
なぜなら、その疑問は大人になってから氷解します。
フランス語の原文「ペロー童話集」を読むと、馬車やドレスなどに使われている動詞「être changê」は「変わる」という意味合いですが、ガラスの靴だけは動詞「donna」が使われていて、ちゃんと「与える」という意味合いで書かれていたのです。
「光コラボ」は遅い!という評判を、聞いたことは有りませんか?
実際にユーザーが通信速度を測定しているサイトを見ると、やっぱり・・・遅い。
「なんだ、光コラボは本当に遅いんだ、駄目じゃん!」
で、終わってしまうのは勿体ないです。
「シンデレラ」と同様に、「光コラボ」のユーザー測定した通信速度の数値が遅くなっている理由と、実際に利用するのにあたり、具体的な改善方法を解説します。
回線速度の基礎知識
光回線だけでなく、インターネットを利用する時の速度には単位があります。利用者にとっては、快適に利用出来る一つの指針になります。
通信速度の単位
通信速度の単位は「bps」という単位で、数値が大きくなるほど高速になります。
bpsはBit per secondの略語で、1秒間にどれだけのデータ量を転送出来るかという意味です。1,000bpsは1kbpsであり、1,000kbpsが1Mbpsになり、1,000Mbpsは1Gbpsになります。
現在光回線の主流公称速度数値は、1Gbpsです。
回線速度の向上
インターネット回線は、アナログからISDN接続へと時代と共に変わり、光回線の前に普及していたのはADSL で、1999年頃からの普及が始まり、2001年頃に大きく普及します。
ADSLは高速通信の元祖で、ブロードバンドという言葉が一般的になりました。ADSLの回線速度は、理論上で下り50.5Mbps・上り12.5Mbpsが最大です。飛躍的な回線速度の進歩ですが、安定性に難があり、基地局からの距離で通信速度も大きく変わりました。
理論上の速度は早くても、ADSLは使う場所によって速度は非常に遅くなり、安定性にも欠けることから、実際にはISDNと大差ないケースも多く、ISDNを使っていたユーザーがADSLに全面移行する事はありませんでした。
初期から回線を使っていたユーザーは、本質を見極めて数字に踊らされる事無く、過渡期の技術と割り切っていた方も多かった様です。根本的に回線構造を変えた、光ファイバーケーブルを利用した「光回線」は、2003年頃から一般家庭でも利用できる様になりました。
サービス開始から通信速度は上がり、現在の光回線の中心になっている速度は、1Gbpsです。ISDNの時代にKbpsだった単位が、光では桁違いのGbpsになった事で、ISDNに留まっていたユーザーが、大挙して光回線に移行しました。
公称値は実際には出ない速度
サービスを提供する企業が出す通信速度は公称値と呼ばれる、理論上の数値です。ADSLに比べれば光回線は大きな安定感が有りますが、理論上の数値である公称値には、基本的に実際の利用では届きません。
回線の上り・下りとは?
通信速度には上りと下りがあります。快適さに大きく関わるのは、主に使用頻度の高い下り速度です。動画鑑賞したりネット閲覧したりするのに関わるのが、下りスピードだからです。写真や動画をアップする時に関わるのが、上りのスピードです。
具体的なイメージを掴むために、解りやすい数値例として、スマートフォンがサクサクストレス無く動く為に必要な速度は、以下の通りです。
□メール・LINEで128kbps~1Mbps
□ウェブを閲覧する為にはテキスト中心のサイトで1Mbps。大きな写真が混在しているサイトで10Mbps程度
□動画は解像度にもよりますが、5Mbpsから20Mbps
この数値は、必ずしも必要ということではなく、快適に利用出来る目安です。1Gbpsは、単位を変更すれば1,000Mbpsの事ですが、そんな数値が実際に必要なケースは、一般家庭での利用では基本的にありません。
「光コラボ」とは?
NTT東西が敷設した光ファイバーケーブル「フレッツ光」に、接続業者プロバイダをセットにして、各事業者がサービスを展開しているものです。
もう少し詳しく、解説しましょう。
「フレッツ光」回線を利用するのには、別途にインターネット接続業者であるプロバイダとの契約が必要です。
回線利用料はNTT東日本・西日本に支払い、接続料をプロバイダへ支払う事が一般的でした。ユーザーにとっては、「フレッツ光」+「プロバイダ」と2箇所で契約を結んで、月額料金も別々に支払う必要があり、トラブルが発生した時や、要望を伝えたくても窓口が二箇所あるのは、ユーザーにとってデメリットが大きく、ワンストップで契約支払いが出来るシステムを望む声が大きくなってきました。
出典:NTT西日本*一部改変
光回線をユーザーとの直接契約を結ぶシェアが、巨大企業NTTの独占状態になれば、競争原理が働かなくなり、普及が加速しないと考えた国の意向もあって、NTT東西は、フレッツ光回線の卸業務への移行へ、大幅な方向転換をします。
NTTは光回線の卸事業へ注力して、光回線の卸し提供を受けたプロバイダを中心とした事業者が、プロバイダ機能と光回線をワンセットにしたサービスを提供する「光コラボ」が、2015年2月から開始されました。
出典:NTT西日本*一部改変
現在個人の契約は「光コラボ」・法人の契約は「フレッツ光+プロバイダ」が主流になっています。「光コラボ」を扱う事業者は現在、NTT東日本エリアで530社・NTT西日本エリアで235社が有ります。
実は光回線ケーブルの種類は多くない
百科騒乱の状態の光回線サービスは、多くの企業が提供しています。しかし、それまで無かった光ファイバーケーブルを日本中に敷設することは、簡単ではありません。
光回線の敷設には莫大な資本はもちろんですが、回線を張り巡らせるのには電柱が必要になります。そのため、実際に光ファイバーケーブルの敷設は、NTT(電話線の電柱)・各地の電力会社(電線の電柱)・各地のケーブルテレビ(有線の電柱)で大半を占めています。
CT市場専門のリサーチ会社、株式会社MM総研の2021年3月発表のデータによれば、全国的に広く普及しているのは、NTTグループ(NTT東日本+NTT西日本)の2256.4万件であり、そのシェアは半数を大きく超える7割弱に達しています。
(出典:MM総研)
グラフ中のその他は、限られたエリアでのサービス展開です。
KDDI(au)もNTTグループに続くシェアですが、実際に施設した光ファイバーケーブルのエリアは限られていて、大半のエリアはNTTの光ファイバーケーブルを使用していて、「ダークファイバー」と呼ばれる、NTTで使われていない光回線を利用しています。
続くオプテージは、関西電力が提供する関西エリア限定のサービスです。その次のソニーネットワークコミュニケーションズは、「NURO光」を展開していますが、KDDIと同様にNTTの敷設した光ファイバーケーブルの「ダークファイバー」を利用しています。
NTT東西の「フレッツ光」は、「日本の光回線の歴史」そのものと言っても良く、古くからの光回線ユーザーの多くは、「フレッツ光」を利用しています。
個人の「フレッツ光」ユーザーは「光コラボ」が増えている
前述の様に、現在個人の契約は「光コラボ」・法人の契約は「フレッツ光+プロバイダ」が主流になっています。
古くからの光回線個人ユーザーで、「フレッツ光+プロバイダ」の契約をずっと継続しているユーザーも一定数存在しますが、契約内容を変更して「光コラボ」にするユーザーも増えています。
「フレッツ光+プロバイダ」を現在利用している方が、光コラボに乗り換える事を「転用」と言います。
出典:NTT東日本公式
個人ユーザーの主戦場は「光コラボ」で、サービス提供者の顧客獲得戦略も力が入っています。
同じプロバイダを利用していても、「フレッツ光+プロバイダ」で支払う月額料金よりも、「光コラボ」に転用した方が月額料金は安くなり、「フレッツ光」回線を利用してプロバイダを組み合わせる事に変化は無く、工事も必要ありません。
サービスによっては、転用でキャッシュバック等を行っているケースも有り、ユーザーにとってのデメリットは、転用の手続きをするだけで、後はメリットしか有りません。
「光コラボ」の計測値が遅くなる理由
具体的に「光コラボ」の計測値が遅くなる理由を解説します。
マンション集合住宅の配線方式
「フレッツ光」は光回線の中でも歴史が古く、そのため回線速度が遅いという認識は誤解です。
古くからサービスを行っているため、マンション集合住宅タイプに引き込まれている光回線は、「フレッツ光」(つまり個人ユーザーの光コラボ)のシェアが圧倒的に多くなります。
マンション集合住宅では、回線が建物に共有スペースにあるMDFまで引き込まれていなければ、基本的に光回線の利用が出来ません。
MDFから各戸への配線は、マンションによって異なります。大きく分けて、3つの配線方式があります。
(出典:NTT東日本公式ページ*一部省略しています)
光配線方式
新しいマンション集合住宅に増えている方式です。MDF内のスプリッタで振り分けられた回線は、そのまま各戸まで光ファイバーケーブルで繋がれて、各戸内に回線終端装置を設置します。
もっとも安定して速く、マンション集合住宅において現状はベストな方式です。1Gbpsの光回線が来ていれば、理論上安定して1Gbpsの速度が出ます。この環境下にある、フレッツ光回線ユーザーの計測は、本来のポテンシャルを表している数値になります。
VDSL方式
比較的古いマンション集合住宅に見られる方式です。MDF内に有る集合型回線終端装置の先にVDSL集合装置が設置されていて、そこから各戸までは電話線に変換して回線を結んでいます。各戸では、電話用モジュラージャックからVDSL宅内装置に入り、ルーターに接続します。
1Gbpsの光回線が来ていても、残念ながらこの方式での最大通信速度は、上りも下りも100Mpbsしか出ません。戸数の多いマンションでは、この方式で同時に回線使用者が増えれば、回線速度は一層落ち込むケースが多々あります。
この環境下にある、フレッツ光回線ユーザーの計測は、最高の値でも100Mpbsが上限になります。回線本来のポテンシャルを表している数字にはなりません。
LAN配線方式
ちょっと前に建てられたマンション集合住宅に多い方式です。MDF内に設置された集合型回線終端装置から、各戸にLANケーブルで繋ぎます。各戸ではLAN用のモジュラージャックが備えられ、ルーターに接続します。
こちらは導入された時代で、ケーブルが対応しているスピードが異なります。比較的新しい時代に導入されているケースでは1Gbpsの元回線に対して1Gpbsの速度が理論的に出る事も有りますが、古い時代に導入されている場合は100Mbpsの速度しか出ないケースも有ります。
古くからのユーザーは、VDSL方式での利用が多い
(出典:NTT東日本公式)
光ファイバーケーブル回線から、各戸にそのまま届く光配線方式なら、回線の能力をフルに使う事が出来ますが、VDSL方式では本来の1/10以下程度しかベストの状態でも使用出来ず、同時利用人数によって更に速度は悪化します。
理論上は100Mbpsの最大速度ですが、実際の計測値は20Mbpsから30Mbps程度の速度が実情であり、場合によっては、それ以下になるケースもあります
前述の必要速度で書いたように、この数値でも実用上の問題は殆ど発生しませんが、回線速度測定サイトに一定数はこれらのユーザーが入る事で、「光コラボ」のユーザー利用平均数値が下がる事になります。また、実際利用しているユーザーからも、それ以上の速度を求める場合には不満の声が出ます。
Wi-Fi規格
総務省が令和2年6月に発表した、電気通信市場の分析結果によれば、10年以上光回線を継続利用しているユーザーは、33.2%と最も大きな数字になっています。
(出典:総務省)
この10年以上のユーザーの大半は、導入時期を考えれば「フレッツ光」回線利用者です。これらのユーザーが、古い規格のWi-Fiルーターを使用している場合、通信速度に大きな影響が出ます。
現在一般的に使用されている無線Wi-Fiルーターの規格は、次の5つです。
・IEEE802.11b(最大通信速度11Mbps)
・IEEE802.11a(最大通信速度54Mbps)
・IEEE802.11g(最大通信速度54Mbps)
・IEEE802.11n(最大通信速度600Mbps)
・IEEE802.11ac(最大通信速度6.9Gbps)
IEEE802.11nが策定されたのは2009年で、本格的に普及したのは2010年頃からで、IEEE802.11acが策定されたのは2014年で、本格的な普及は2015年頃です。
IEEE802.11gとIEEE802.11nには、Wi-Fiの通信速度に大きな開きがあります。IEEE802.11bを使用している場合には、1Gbpsの光回線を利用していても、最大で11Mbpsの速度しか出ません。実際の数値は一桁Mbpsになります。
古くからのユーザーは、古い無線Wi-Fiルーターをそのまま使い続けているケースも多く有り、Wi-Fi利用の通信速度が著しく遅くなります。「フレッツ光」の利用者は、長期利用者の割合が他の回線よりも圧倒的に多く、そのため、通信速度の評判で実測値が遅くなっています。
ご自身の利用環境と照らし合わせてみましょう
光回線の実際の速度は、色々な要素から成り立っています。仮にVDSL配線方式の建物で、「フレッツ光」以外の回線が入っていても、劇的には速くなり得ません。
逆に、光配線方式で新しい規格のWi-Fiルーター・ケーブルを使用すれば、巷で言われている平均値よりも、納得いく数値になるケースが圧倒的に多くなります。
フレッツ光の光配線方式での有線接続速度は、高ベンチマークを記録しています。回線品質を支える技術力も、世界有数のノウハウがあります。
「フレッツ光」で速度の改善方法は?
特に古くからの「フレッツ光」ユーザーで、速度を改善する方法を解説します。
VDSL方式の速度改善
可能であれば、VDSL方式から光配線方式への変更が問題を解決します。
しかし、VDSL方式のマンション集合住宅は、ADSLを引いていて移行したケースや、建物の構造上の問題で光配線方式がとれなかったケースなど、時代背景以外にも何らかの理由が有る事が多く、各戸への回線工事をして光配線方式にする事は、容易ではありません。
簡単ではありませんが、管理組合に申し出て賛同者の住民が増えれば可能性は有ります。
高層階にお住まいの方は無理ですが、低層階にお住まいの場合は、戸建てプラン回線が引き込める場合が有ります。これなら配線方式は関係なくなり、フルに光回線の速度を享受出来ます。
この場合も、管理組合・賃貸の場合はオーナーの了解を取り付ける必要が有ります。
戸建てや光配線方式の速度改善
配線方式に問題が無い場合や戸建てにお住まいの方で、「フレッツ光」の回線速度に不満のある場合は、Wi-Fiルーターと接続ケーブルを新しい物に交換すると、大きく改善するケースが有ります。
実際に筆者の知人・縁者から同様の相談を受けて、同様のアドバイスをしたところ「劇的に改善」した者が何人も居ます。
IPv6 IPoE接続
プロバイダによっては、「IPv6 IPoE」に対応していない事が有ります。回線速度に不満のある「フレッツ光」ユーザーは、「IPv6 IPoE」に対応したプロバイダに変更する事で、回線速度が改善するケースが多く有ります。
「IPv6 IPoE」に対応しているルーターに変更する必要が有ります。
現在「光コラボ」を利用しているなら、他の光コラボ事業者に乗り換える事を「事業者変更」と言います。
出典:NTT東日本公式
フレッツ光回線はそのまま利用するので、別途工事も必要ありません。
事業者変更の手順
- 事業者変更承諾番号の収得を、契約中の光コラボ事業者へ申し込む
- 新しい光コラボ事業者に、「事業者変更」として申し込む
- 事業者変更の手続きが完了(概ね1週間から2週間程度)すれば、利用できる様になります。
注意点としては、事業者変更承諾番号は15日間の有効期限があります。
安価な月額料金で利用出来る「光コラボ」をご紹介します。
実質料金が安く、スマホとのセット割が充実の「@TCOMヒカリ」
(出典:@TCOMヒカリ申込サイト)
フレッツ光のコラボレーションモデルなら、スマートフォンとのセット利用で通信費全体をお得に使え、実質料金が安い「@TCOMヒカリ」がオススメです。
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@TCOMヒカリをオススメする理由も沢山有ります。
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新規契約だけのオプション無しで、戸建てタイプ35,000円・マンション集合住宅タイプで33,000円のキャッシュバックが受けられるキャンペーンを行っています。Wi-Fiが使える無線Wi-Fiルーターを選ぶ事も出来ます。
12ヵ月の間、月額料金割引
契約から12ヵ月間、月額料金が割り引かれます。戸建てタイプで5,610円が12ヵ月間は5,170円になり、マンション集合住宅タイプでは、4,180円が12ヵ月間は3,850円になります。
au系のスマホ利用ならお得に
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