引っ越し時にインターネット環境を重要視するユーザーが増えています。
そんな方が物件探しをするときには、インターネットが利用できない部屋は最初から除外していますが、実際に契約後にインターネット回線の契約手続きを進めると、現状は利用者の誰かが引っ越さない限り空きが無く、利用できない状況にあると説明されるケースがあります。
インターネット回線の利用者にとって、利用不可は生活が根底から変わる事を意味します。しかし、インターネット回線を確保する手段が、全く無い訳ではありません。
何故そんな事態が発生するのか?原因を含めて、マンションや集合住宅において、
ポートの空きが無く、光回線が契約できなかった時にどうするのが最適の手段なのか?具体的に解説します。
マンションと一戸建てでは光回線の導入方法が異なる
「ポートの空きが無く、光回線が契約できない」事態は、一戸建てでは起きずマンションでのみ起こります。
これは、光回線の導入方法が異なるためです。
光回線は無線とは違い、実際に光ファイバーケーブルが、住居の近くまで来ている事が大前提になります。
一戸建ての場合は、光ファイバーケーブルを直接引き込む工事を行うため、住所が対応エリアになっていて、建物等に構造上の問題が無い場合には、光回線の導入に支障は起きません。
マンションでは、近くまで来ている光ファイバーケーブルを、各戸に直接導入するのでは無く、建物の中に有る共有スペースまで引き込んで、そこから各戸に届けるという違いがあります。
では、「ポートの空きが無い状態」とは何でしょうか?
ポートの空きが無いのは集合装置の空きが無いこと
マンションの配線方式は何種類か有りますが、「ポートの空きが無い」状態になるのは、「VDSL方式」が導入されているマンションです。
築20年以上が経過しているマンションでは、数多く導入例があります。
(出典:NTT東日本)
VDSL方式とは?
20年以上前のインターネット回線は光回線の普及前で、ADSLを利用する事が主流でした。
ADSLは、従来から有る電話回線の銅線ケーブルを利用する方式で、現在は導入されている回線が光回線に変わっても、VDSL方式は各戸への配線方式をその当時のまま、電話線を利用しています。
各戸には、接続用のモジュラージャックが設けられています。
電柱等で近くまで来ている光ファイバーケーブルを、建物内の共有スペースまで引き込んでPT(Premises Termination)に接続します。
さらに、PTから集合型回線終端装置に光回線で接続され、そこからVDSL集合装置までLANケーブルで繋ぎます。
これらの共有スペースの集合装置は、MDF室が設けてある場合と、壁に直付けしてある場合がありますが、ここから各戸に向けてインターネット回線が分配されます。
何故、ポートに空きが無くなるのか?
通常はこの状態であれば、契約後にインターネットを利用することができます。
では、「ポートに空きが無い」状態で、光回線が利用できない事態になるのは、何故でしょうか?
その大きな理由は、インターネット回線利用者の飛躍的増加にあります。20年以上前のインターネット利用者は多く無く、その当時の利用率を考えて集合装置が設置されています。
当時のVDSL方式用の集合装置は、16分配と8分配のものが主流でした。たとえば、一棟に12戸が入居するマンションでも、8分配の装置で問題が発生しない状態なら、敢えてコストが増加する16分配の装置は導入されていません。
しかし、現在のインターネット利用者状況は当時と大きく変わり、全戸でインターネット回線を希望すれば、このケースで4戸分のポートが不足する状態になります。
そのため新しい入居者に関しては、光回線は導入されているけれど、空きポートが無い状態が発生します。
それならば、その状態を不動産仲介業者が把握していれば、情報を得た入居者は物件をリストから外します。
問題を複雑にするのは、そこにあります。
業者はポートの空きまで把握していない
仲介する業者は、ポートの利用者数までは基本的に把握していません。
事実に基づいて「光回線導入済み」とは案内しても、ポートの空きまで理解しているケースは殆どありません。
入居者が契約前にNTTに問い合わせをして、ポートの空きを確認すれば多くの場合解決しますが、そこまで考える方は少ないと言えます。
契約後には様々な費用が既に発生していて、光回線が契約できない事態が発覚した時には、多くの場合で後戻りできない状況にあります。
この事態を事前に回避するには?
光回線が導入されているのに、ポートの空きが無くて利用できない事態は、VDSL方式で各戸へ配線されている場合に発生します。
築20年経っていないマンションでは、多くの場合「光配線方式」になっていて、ポートの空き問題は基本的に起こりません。
光配線方式の集合装置は、第一スプリッタで4分岐を行い、その後8分岐させる第二スプリッタを接続する方式になっているため、流動的な事態にも対応できるようになっています。
契約後に直面したら解決方法は?
インターネットが利用できない状態を、そのまま我慢するのは現実的ではありません。
空きが出るのを待つ
利用者が引っ越す事でポートに空きが出て、他には誰も順番待ちをしていない状態なら、利用する事ができますが、いつになるかは神頼みになります。
装置の増設をNTTに直接願い出るのも手ですが、賃貸物件の場合ならオーナーから、分譲物件では管理会社からも要望を出して貰う方が効果的です。
しかし、たとえば全部で18戸の物件に16ポートの装置が入っていて全て埋まっている場合、新規入居者として17人目のニーズでは、増設される事は期待薄です。
増設しても増えるのは最大2戸で、設置費用のコストが吸収できない事が明らかだからです。そんな場合は、押しても引いても「空きが出るまでお待ちください」という回答しか返ってきません。
スマホを利用する
契約しているスマホプランで、通信会社の回線利用をすれば、インターネットを使う事ができます。
しかし、家族がそれぞれ高額なプランを契約する必要が有り、通信料は割高になる事が避けられません。
また、スマホ以外の機器はテザリングでWi-Fi利用もできますが、無制限プランに契約していても制限があったり、接続できる機器が限られたり、有線接続もできません。
自由にインターネットを使う環境には程遠い上に割高です。
ホームルーターを導入する
ポートの空きが無いマンションでは、現実的な手段として最もオススメするのは「ホームルーター」の導入です。
自宅にインターネット回線のWi-Fiが飛ぶ環境が、コンセントに挿すだけの工事不要で実現します。
建物の配線設備を一切利用しないため、それらの制約を受けません。
ホームルーターは、光回線でWi-Fiルーターを利用している環境に、最も近い状態でインターネット利用ができます。
スマホ以外にも多様な機器が接続可能で、最もデータ消費をする自宅のインターネット利用の回線を一本化できるため、通信費トータルでもお得になります。
一般的にホームルーターは、通信速度や品質は光回線に及びません。しかし、ポートが利用できない状態が発生するVDSL方式のマンションでは、その限りではありません。
光配線方式の物件だと、1Gbpsの回線が導入されていれば、理論的に各戸でも1Gbpsの速度が出ます。(実際には1Gbpsは公称値という理論値なので、そこまでの速度は絶対に出ませんが)
しかし、VDSL方式のマンションでは、1Gbpsの光回線が引き込まれていても、速度に大幅な制約が掛かり、最大速度が100Mbpsに低下するケースがほとんどです。
この数値も理論値のため、実際に利用にあたっての通信速度は更に下がります。
利用環境にも左右されるため一概には言えませんが、実際の通信速度はVDSL方式の光回線よりも、無線方式の「ホームルーター」の方が速い事が多くなります。
具体的にサービスが提供されている、各社の「ホームルーター」を見てみましょう。
現在サービスが提供されているホームルーター
回線導入工事が不要で、コンセントに挿すだけで気軽に利用ができる「ホームルーター」は、2014年の12月からソフトバンク(当時はソフトバンクBB株式会社)でサービスが始まっています。
長年の間、ソフトバンクがこのマーケットを席巻して、その間に機器は大幅に進化してきましたが、2021年からKDDI(au)とドコモが、5Gサービスの開始に合わせて、「ホームルーター」に参入しました。
現在は大手キャリア4社から、サービスが提供されています。
ドコモ home 5G
(出典:GMOとくとくBB ドコモ home5G)
〇月額料金 4,950円
Speed Wi-Fi HOME 5G
(出典:UQ WiMAX公式)
〇月額料金 4,950円
ソフトバンクエアー
(出典:SoftBank Air 公式)
〇月額料金 5,368円
Rakuten Turbo5G
(出典:楽天モバイル)
〇月額料金 4,840円
自宅で楽天モバイルの回線が利用できないユーザー(楽天回線の電波が受信できない)は、基本的にRakuten Turbo5Gを利用する事には注意が必要です。
データ容量は無制限に利用できるのか?
インターネットの利用量は、年々増加の一途にあります。コンテンツが充実して、動画のクオリティも上がり、相対的な利用時間も増える傾向です。
そのため、快適に利用できるインターネット環境には、容量が無制限に利用できる事が必要です。
有線で利用する「光回線」は、利用するデータ容量に制限が無く、家族みんなでバラバラに動画視聴などで大量にデータ容量を消費しても、支払金額に変化は無く速度制限もありません。
無線を使ったインターネット回線は、制限が掛かる事も多いのですが、「ホームルーター」の4社サービスでは、各社無制限利用を標榜しています。
完全無制限ではない
通常利用では全く問題ありませんが、利用の仕方によっては制限が掛かる可能性が4社ともあります。
たとえばドコモでは、“ネットワークの混雑状況により、通信が遅くなる、または接続しづらくなることがあります。また、当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。なお、一定時間内または1接続で大量のデータ通信があった場合、長時間接続した場合、一定時間内に連続で接続した場合は、その通信が中断されることがあります。”
という、注意書きが存在しています。
Speed Wi-Fi HOME 5G L12には独自制限も
KDDIが提供している「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」は、通常のau回線をメインで利用するのでは無く、WiMAX系の周波数帯を利用しています。
WiMAX系は電波特性として、標準のスタンダードモードでは遠くに電波が届きにくく、障害物にも弱いことから、利用する場所によっては電波が届かないケースがあります。
オプション(月額1,100円 スマホのセット割り利用者は無料)のプラスエリアモードでは大幅に利用出来るエリアが増えますが、月間の容量は15GBまでの制限が存在しています。
コスパが良いのはソフトバンクエアー
(出典:ソフトバンクエアー申込みサイト)
月額利用料だけで、コスパは判断できません。
キャッシュバック特典は出るケースと出ないケースがあります
同じ回線サービスを申し込むのにも、公式HP・キャリアショップや家電量販店・オンライン代理店などがあります。
公式や携帯ショップではキャッシュバック特典が無い場合でも、経費を掛けないオンライン代理店では独自のキャッシュバック特典を行っているケースがあります。
公式で特典キャンペーンを行っている場合でも、オンライン代理店では独自のキャンペーンと合わせて両取りができるため、お得です。

何処で回線契約を行っても、月額利用料やサービスに一切の差はありません。
キャッシュバックまで考慮して、2年間の実質支払額を比較してみましょう。
ホームルーター4社の実質支払い額を2年間で比較
提供企業 | ドコモ | KDDI | ソフトバンク | 楽天モバイル |
サービス名 | ドコモ home 5G HR02 |
HOME 5G L13 | ソフトバンクエアー Airターミナル5 |
楽天モバイル Rakuten Turbo5G |
基本月額 1年目 | 4,950円 | 4,268円 | 3,674円 | 4,152円 |
基本月額 2年目 | 4,950円 | 4,950円 | 5,368円 | 6,572円 |
機種代実質 | 0円 | 5,940円 | 0円 | 41,568円 |
2年間合計金額 | 118,800円 | 116,556円 | 108,504円 | 128,688円 |
キャッシュバック | 20,000円 | 0円 | 29,000円 | 0円 |
2年間実質合計 | 98,800円 | 116,556円 | 79,504円 | 128,688円 |
実質月額料金 | 4,117円 | 4,857円 | 3,313円 | 5,362円 |
*ドコモHR02のキャッシュバックは、Amazonギフト券
*ソフトバンクエアー Airターミナル5の1年目料金は年間の平均月額
*楽天モバイル Rakuten Turbo5Gの月額料金は、24回分割の月額1,732円を含む
ソフトバンクエアーは圧倒的な安価で利用する事ができて、光回線でもVDSL方式のマンションでは、回線速度など品質も上回るケースが多くなります。
ワイモバイルのセット割も!
(出典:ワイモバイル公式)
通信費のコスパを考えれば、スマホ料金も考慮する必要が有ります。
自宅にソフトバンクエアーを導入すれば、スマホの「無制限・大容量」のプラン契約は不要になります。
通信会社の回線利用は外出時だけに限られるため、小容量から中容量のプランで充分です。
キャリアの小容量プランに変更するよりも、サブブランドの「ワイモバイル」に乗り換えれば、ずっと安く利用出来ます。サブブランドは、メインブランドと同じ高品質なキャリア回線を利用して、料金だけが安くなります。
さらに、「ソフトバンクエアー」と「ワイモバイル」を組み合わせて利用する事で、「おうち割光セット(A)」が適用され、スマホ1台あたり月額1,100円の割引きが受けられます。
家族みんなでワイモバイルに乗り換える事で、通信費のコスパは大幅に良くなります。
単身者やライトユーザーには「モバイルルーター」もアリ!
マンションでポートの空きが無い場合のインターネット回線の手段としては「ホームルーター」が最適ですが、単身者の場合は「モバイルルーター」という手段もあります。
こちらも無線のため、建物の配線方式や設備の制約を一切受けません。
「ホームルーター」と比較してWi-Fiの飛ぶ範囲が狭く、ワンルームでの利用が適しているため、単身者の方に向いています。
ホームルーターと比較すれば、多くの場合で回線速度や品質は落ちるケースが多くなりますが、ライトユーザーの方なら不満を感じることはそれほどありません。
その分、筐体のサイズが小さくなっているため、自分の移動するところに持って行く事が可能で、自宅だけで無く自分の居る場所にWi-Fi環境を構築する事ができます。
スマホのプランも、通話ができれば容量のあるプランは基本的に必要としないため、トータルの通信費が安価に利用できます。
具体的に、オススメの「モバイルルーター」をご紹介します。
高コスパの「楽天モバイル」モバイルルーター
(出典:楽天モバイル公式)
以前は利用しない月や1GBまでの利用なら、月額料金が無料になる事を前面に打ち出していましたが、2023年7月からプラン内容が改訂されて、「Rakuten 最強プラン」では、「3GBまで」は1,078円・「20GBまで」は2,178円・「20GB以上は上限無しの無制限」で3,278円になっています。
楽天モバイルの提供エリアでの利用なら、無制限に利用ができて月額料金も安価です。
(ホームルーターと同様に、利用の仕方によっては制限が掛かるケースがあります)
注意が必要なのは、楽天モバイルの提供エリア外では、パートナー回線(au)になり、通信速度の制限がかかる可能性があります。
楽天モバイルの提供エリア内に住居と移動範囲が限られるなら、非常にコスパの高いインターネット回線になります。
4大キャリアの回線につながる「クイックWiFi」
(出典:クイックWiFi公式)
楽天モバイルの繋がりやすさに不安があるなら、4キャリアに対応するクラウドSIMタイプの「クイックWiFi」がオススメです。
日本中の何処に行っても、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの中で最も繋がりやすい回線が、自動的に選択されます。
月額費用は100GBの容量で3,718円になります。
今なら、8,000円のキャッシュバックをしているため、2年間利用時の実質価格は月額3,385円になります。
月に100GBの利用制限がありますが、容量内の利用の仕方に制限が無く、自由に利用することができます。
100GBという容量がどれほど使えるか?ですが、たとえばデータ容量を消費する動画視聴で、Amazonのプライムビデオを1ヵ月間毎日欠かさず2時間弱が視聴できる容量です。
多くのユーザーにとって、事実上の無制限の感覚で利用できるコスパの良さが有ります。