オンラインゲームで勝つためにはゲームの腕前が重要ですね。しかし、ゲーム画面の中で自分のキャラクターは止まっているのに、他のキャラクターは動いている。
そんなことはありませんか?もしかしたら、原因はネットワークにあるかも知れません。今回はネットワークに不良がある場合の改善のポイントを紹介します。
ゲームに最適なネットワーク速度
オンラインゲームで有利に戦うためには、通信速度が速ければいいと思っていませんか?もちろん、一定の回線速度は必要です。
しかし、ゲームのプレーには思っているほど、高速の通信回線を必要としないのです。
通信速度について
FPSゲームに必要な通信速度は70Mbos程度。MNORPGなどのゲームであれば30Mbpsで十分といわれます。
これらのFPSゲームやMNORPGは定期的にプログラムの更新がありますから、プログラム更新を考えても100Mbpsあれば十分でしょう。
実はオンラインゲームで重要な通信回線のスペックは次に説明するPING値なのです。
また、家族が同時にゲームをしたり、VODで映画を観たりすれば、インターネット回線をシェアすることになります。家族ではインターネットとの契約は1Gbpsあったほうがいいでしょう。
PING値について
オンラインゲームの場合、通信速度はパソコンとゲームサーバーの間でやり取りするデータの量です。PING値はサーバーに対する応答時間です。
PING値は、自分のパソコンからブロードバンドルーターやインターネット上の経路上にある、ルーターの数や処理時間で決まります。また、インターネットの経路が渋滞しているとPING値は悪化します。PING値は値が小さいほどよい状態です。
オンラインゲームで「ラグが発生している」、「自分は動きが遅いのに他のキャラクターはスムースに動いている」というときは、PING値の悪化が関係しているかも知れません。
PING値の目安ですが、瞬間的な対応をするFPSゲームでは15ms以下が理想とされます。その他のゲームであれば、30ms以下で十分です。
実際に計測してみましょう
インターネット回線速度計測サイトはいくつかあります。この中の「Fast.com(https://fast.com)」で測定してみましょう。はじめの画面はダウンロードスピードが表示されます。同じ画面の「詳細を表示」をクリックすると、レイテンシと値が表示されます。これがPING値です。
インターネット回線速度測定サイト全般にいえますが、この回線速度もレイテンシも計測用に設定されたサーバーとの通信結果であり、実際のゲームサーバーとの通信でないことに注意してください。
大人気のオンラインゲーム、フォートナイトなどはゲーム画面にPING値が表示されるので、それを参考にすると間違いないでしょう。
通信環境悪化の原因
自宅のパソコンからインターネットの経路を含めたさまざまな箇所で、通信速度やPING値を悪化させる要因があります。
無線LAN
自宅のパソコンを無線LANで無線LANルーターに接続している場合は、電波が弱かったり、干渉を受けたりしている可能性があります。無線LANの場合、電波の状態が悪いと、エラーと再送信を繰り返すので、大幅な速度低下を起こす可能性があるのです。
この場合、パソコンに表示される、電波の強度のメーターなどを目安に無線LANルーターの配置を変えてみると解消できることもあります。
また、意外な盲点が無線LANの規格です。パソコンを最新機種に取り換えた場合によくあります。たとえばパソコンは最新の無線LAN規格Wi-Fi6に対応。しかし、無線LANルーターは以前から使っているWi-Fi4のままだとすれば、古い規格で無線LANは動作します。
どうしても無線LANで解決が難しい場合は、パソコンと無線LANルーターをLANケーブルで、直接接続する方法があります。(後述するカテゴリー6以上のLANケーブルを使用してください)
無線LANルーター自体の問題
無線LANルーターとは、インターネットと家庭内LANを接続するブロードバンドルーターと無線LANの親機が一体化したもので、今日の主流です。
無線LANルーターは非常に多くの処理をしています。パソコンをはじめとするデバイスに重複することなくIPアドレスを振り分け、インターネットとの通信を中継する機能。ファイヤーウォール機能もあります。
このような処理を無線LANルーターに内蔵されているコンピューターが行っており、ときどき処理が不安定になることも。このような場合は無線LANルーターの電源の切り入りで回復することがあります。
また。古い無線LANルーターを最新規格のものに買い替えるという解決方法もあります。
古いLANケーブルの存在
あまり気にされていないのがLANケーブルです。とくにADSLの時代からインターネットをしている人は一度確認をした方がいいでしょう。LANケーブルにはいくつかの規格があります。家庭で使うLANケーブルには以下のカテゴリーがあります。
・カテゴリー5 通信速度 100Mbps
・カテゴリー6 通信速度 1,000Mbps
・カテゴリー7 通信速度 10,000Mbps
カテゴリー5のLANケーブルを使っていると100Mbos規格になっており、そこが通信のネックになっている可能性があります。
とくに1Gbpsの光回線を使っているのに思ったより通信速度が出ないという場合は。ONU(宅内回線終端装置)から無線LANルーターの間のLANケーブルが、カテゴリー5の100Mbps規格だったという可能性もあります。
インターネットの問題
自宅の通信環境を見なおしてみて、通信速度やPING値が思ったほどよくならないという場合は、インターネット側に原因があるかも知れません。
パソコンから出た情報は、自宅の無線LANルーターを通ってプロバイダーのルーターを経由し、何台かのインターネット上のルーターを通って、目的地のサーバーに到着します。
PING値はこの通過するルーターの数や処理時間などの影響を受けます。とくに通信量が大幅に増えている箇所があると、インターネット上の通信経路も渋滞を起こし、通信に影響することも。
インターネット上の通信をコントロールすることはなかなか困難です。今回は、独自の通信方法の採用により、通信速度やPING値の悪化などを防げる光回線もあわせて紹介します。
オンラインゲームにおすすめの光回線2選
@TCOM(アットティーコム)ヒカリ
オプションの「v6インターネット接続機能(IPoE方式)」を使えば、IPv4(PPPoE方式)と比較して、通信の混雑が少ないIPv6ネットワークで快適な通信ができます。ルーターが従来のIPv4通信をIPv6通信に自動的に変換するので、工事や設定の必要はありません。(IPv4 over IPv6機能)
NURO光
参考:NURO光公式サイト
NURO光は下り最大2Gbps、上り最大1Gbpsのサービスをしています。特徴として、ONUと無線LANルーターを一体化したものがレンタルされることです。
通常ONUと無線LANルーターの間は、カテゴリー6以上のLANケーブルで接続され、規格上は1,000Mbpsが上限になります。NURO光ではONUと無線LANルーターが一体化したことで、下り2Gbpsをフルに活用できます。
まとめ
オンラインゲームが遅く感じるときは、まず家の中のネットワーク環境を見なおしてみましょう。それでも解決しない場合は、インターネット側に原因がある可能性も。
今回紹介した@TCOMヒカリ、NURO光は独自の工夫で通信回線の渋滞を防ぐように設計されています。
ブロードバンド回線の通信量は年々右肩あがりで増えています。2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止の在宅時間が増えた関係で、通信量が前年の1.5倍を記録しました。
もちろん、通信量の増加にあわせて通信設備も増強されていくと思われるので、極端に不自由を感じることは少ないと思います。しかし、一時的に通信回線が渋滞することは考えられます。
今回紹介したおすすめの光回線である@TCOMヒカリ、NURO光はIPoE IPv6接続に対応しています。一概にIPv6が速いとはいえませんが、PPPoE IPv4ネットワークに比べると混んでいないのは確かなようです。新しく光回線を契約するのであれば、IPoE IPv6接続に対応した光回線を選ぶのがいいでしょう。
ぜひ、快適なネット環境でオンラインゲームを楽しんでくださいね。