時間になると家族がテレビのある部屋に集まり、一台のテレビで同じ番組を楽しむ家族団らんの時間。
昭和の時代には当たり前だった風景は、録画できるビデオデッキの普及と、テレビの価格低下もあり、一家族一台だったテレビが、個々の部屋に設置されるに至って、すっかり姿を消してしまいました。
それでも、テレビが娯楽の王様である事に、揺るぎが生じない時代が続き、今後も続くと思われていたのですが、思わぬ伏兵であるインターネットの登場によって、事態は一変しました。
日本のテレビ業界が、その立場にあぐらをかいていた訳では無く、ケーブルテレビが普及していたアメリカは別にすれば、早くから多チャンネル化も進めていました。
先日お亡くなりになった、エリザベス女王が来日した1975年(昭和50年)に、黒柳徹子さんが行ったインタビューの中で、自国のテレビのチャンネル数の話題になり、黒柳さんが7つと答えているのに対して、エリザベス女王は3つと答えています。
その後もBS放送など多チャンネル化は進んで、幅広いニーズに対応する環境は進みましたが、インターネットの回線環境の進化と端末の進化等によって、時間も場所も問わない上に、無限とも言えるコンテンツ数がある、利便性に長けたインターネットで視聴スタイルへの流れが止まりません。
特にZ世代と呼ばれる年齢層では顕著で、NHK放送文化研究所の調査では、16~19歳の47%・10代から20代の約半分は、普段の生活の中で殆どテレビを見ていない実態が明らかになっています。
テレビの聡明期から令和の時代まで活躍している、テレビ界の生き字引と言われる、当時87歳の黒柳徹子さんは、2021年7月にYouTuberとして、YouTubeデビューを果たしています。
前述のエリザベス女王や、喜劇王チャップリンなど、多くの世界的な著名人との交流や裏話など、オフィシャルな現場では決して披露されないエピソードも、YouTubeだから出来る、本人自らが語る面白さがあります。
そんな魅力のあるYouTubeは、家族それぞれで興味が異なる事から、同時に別コンテンツを視聴している事も珍しくありません。
複数端末で接続しても、YouTubeがサクサク利用出来る光回線を解説します。
YouTubeを快適に利用するためには?-通信速度を考える前に
テレビチャンネルとは比較にならない、ハウツーものから物品やサービスの購入時の参考、贔屓のアーチスト等の肉声やライブなど、単純に視聴して楽しむ事を超えた数多くのジャンルを、無料で楽しむ事が出来るYouTubeはとても有益ですが、サクサク利用が出来ない環境では、かえってストレスが溜まります。
YouTubeは再生を行いながら、バックグラウンドでは、これから再生するデータのダウンロードを行っています。
そのため、動画視聴を快適に行う為には、一定の通信速度が満たされている事が必須です。
しかし、YouTubeをサクサク利用するためには、通信速度の前に確認しておきたい事があります。
利用端末などに問題は無いか?
YouTubeを含めた動画の利用は、webサイトの閲覧やメール・LINEのやり取りなどに比べて、非常に大きなデータを扱います。
そのため、利用出来る環境は、端末の処理能力に大きく依存します。
具体的には、作業を行うテーブルの広さにあたるメモリーのRAM、処理する頭脳エンジンにあたるCPUの性能などが影響します。
他のアプリを立ち上げない
スマホなら、バッテリーの消耗が激しく、充電しながらでないと利用出来ない場合は、既に長年利用してきた端末だと考えられ、その場合には、端末のスペックがニーズに合っていないケースも多く、買い換えも検討するべきです。
しかし、通常の利用には問題が無いのに、YouTubeを利用する時にはサクサク利用出来ない場合は、他のアプリで端末のスペックを消費しているケースもあります。
バックグラウンドで作動しているアプリは全て終了して、YouTubeだけの利用にすると、利用環境が改善する場合があります。
最新のアプリ・ブラウザーになっていますか?
YouTubeを利用するアプリやブラウザーは、最新のバージョンにアップデートしてください。
特に、スマートフォンでアプリを利用する場合は、古いバージョンを使っている場合、不具合が生じるケースが多くなっています。
YouTubeの最新のバージョンに、スマホのOSを含めたスペックが対応していない場合は、それは端末の買い換え時かもしれません。
再起動してますか?
電子デバイスには、スムーズに利用出来る様にするため、キャッシュと呼ばれる利用記録を蓄積していきます。
これが溜まり続けると、様々な不具合が生じます。
この不具合は、端末の再起動で多くの場合は解消されます。
音楽を聴いて就寝、起きるときも目覚ましとして利用している様なスマホユーザーは、充電する事はあっても、再起動する機会を失いがちです。
見えない部分での不具合解消を含めて、定期的に再起動する事で、本来のスペックを取り戻すケースが多く有ります。
機器に不具合を感じたら、再起動するのが基本です。
これは、スマホやパソコンなどの、端末だけに限りません。
スマートフォンのSIMで、通信会社の契約プランだけで利用している場合は、端末の再起動だけで済みますが、他の回線を導入してWi-Fi環境を利用しているユーザーなら、その回線機器も再起動することで、不具合の多くは改善する事が多くなっています。
その場合の具体的な再起動の方法としては、電源を落とすのは外側から、電源を入れるのは内側からが基本です。
たとえば光回線の場合なら、端末の電源を切る - Wi-Fiルーターの電源を切る - ONU(光回線が接続されている機器)の電源を切る 順番に電源を落としていきます。
電源を入れる時は、それぞれゆっくり10を数えてから、切った時とは逆の順番で、ONUから電源を入れていってください。
利用するWi-Fiの種類は?
利用するWi-Fiの種類といっても、回線の種類ではなく、Wi-Fiの規格の話です。
ここで問題になってくるのは、昔からインターネットを利用していたユーザーです。
Wi-Fiルーターは電源が常時入っている設計がなされていて、比較的寿命が長い機器で、「まだ壊れていないから」という判断で、長期間の継続利用をしているユーザーが一定数います。
時代と共にWi-Fiの規格は変わっていて、正常に稼働している状態でも、本来の機能以上の事は絶対に出来ません。新しい順番にWi-Fiの規格を見てみましょう。
規格名 | 新名称 | 周波数帯 | 最大通信速度 | 電波干渉 | 障害物 |
IEEE802.11ax | Wi-Fi 6 | 2.4GHz | 9.6Gbps | 弱い | 強い |
5GHz | 9.6Gbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11ac | Wi-Fi 5 | 5GHz | 6.9Gbps | 強い | 弱い |
IEEE802.11n | Wi-Fi 4 | 2.4GHz | 600Mbps | 弱い | 強い |
5GHz | 600Mbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps | 弱い | 強い | |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | 弱い | 強い | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps | 強い | 弱い |
常に最新のWi-Fiルーターを使用する必要は有りませんが、旧タイプしか対応していないルーターでは、それ以外の機器のスペックをどれだけ上げても、YouTubeを利用する環境は改善しません。
Wi-Fiルーターが「IEEE802.11a/b/g/n/ac」に対応していれば、基本的に現状は問題ありません。対応していないなら、買い換えをオススメします。
また、Wi-Fiルーターと接続されているLANケーブルについても、古いケーブルが「まだ利用出来るから」と利用している場合は、YouTubeだけでなく通信環境全般を阻害している可能性が有ります。
これは、LANケーブルが古くなって劣化しているのではなく、やはり規格が変わっているためです。
カテゴリ名 | 印字されている文字 | もしくはこちらの文字 | 最大通信速度 |
カテゴリ5 | CAT.5 | ANSI/TIA/EIA-568-B.1 | 100Mbps |
カテゴリ5e | CAT.5e | ANSI/TIA/EIA-568-B.2 | 1Gbps |
カテゴリ6 | CAT.6 | ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 | 1Gbps |
カテゴリ6A | CAT.6A | ANSI/TIA-568-B.2-10 | 10Gbps |
カテゴリ7 | CAT.7 | ISO/IEC 11801 | 10Gbps |
カテゴリ7A | CAT.7A | 10Gbps | |
カテゴリ8 | カテゴリ8 | ANSI/TIA-568.C-2-1 | 40Gbps |
カテゴリ5以下のケーブルを使っている場合は、カテゴリ6以上のケーブルに交換する事で、通信環境は大幅に改善します。
利用出来る機器や販売価格と性能のバランスを考えれば、多くの場合カテゴリ6のケーブルで、充分に対応出来ます。
YouTubeを快適に利用するためには?-通信速度を含めて考える
通信速度を含めて、YouTubeをサクサク快適に利用する手段を考えてみましょう。
通信速度とは?
通信速度の単位は「bps」という単位で表され、1秒間にどれだけのデータ量を転送出来るかという意味です。bpsはBit per secondを略したものです。
1,000bpsは1kbpsであり、1,000kbpsが1Mbpsになり、1,000Mbpsは1Gbpsという表記になっています。
参考までに、現在の光回線の主力回線速度は1Gbpsです。
公称値と実際の通信速度は異なる
回線速度の公称値は、サービスを提供する側が発表している計算上の理想値で、実際にその速度が出る事はありません。
通信速度にはダウンロードの「下り」と、アップロードの「上り」があります。
YouTubeを閲覧する場合では、大きく影響するのは下りです。
YouTubeに動画を上げたり、ライブ配信を行ったりする場合に、大きく影響するのは上りです。
Wi-Fi環境の構築手段で通信速度は異なる
理論上の数値よりも実際に利用する数値が落ちるのは、主にロスが出るためです。
Wi-Fiを自宅に構築する手段としては、有線の光回線使う「光回線+Wi-Fiルーター」と、無線を使う「ホームルーター」・「モバイルルーター」があります。
このうち、無線タイプでは、公称値が光回線の1Gbpsを超えているものもありますが、利用する場所のアンテナからの距離や環境など、ユーザーに到着までにロスをする材料が多く、実際の通信速度では光回線には遠く及びません。
利用する端末や、前述のルーター・ケーブルなどでも、ボトルネックと言って良い大きなロスを生むケースがあるため、実際の回線利用者が回線速度を計測しているサイト「みんなのネット回線速度」が、常に正しい回線の評価とは限りませんが、参考になります。
各回線で、直近3ヶ月の通信速度平均値を比較してみましょう。
回線 | Ping | 下り | 上り |
光回線 | 27.2ms | 350.7Mbps | 298.5Mbps |
ホームルーター | 81.4ms | 179.5Mbps | 17.3Mbps |
モバイルルーター | 86.0ms | 57.3Mbps | 14.5Mbps |
上り下りを問わず、実際のユーザーが計測した数値では、無線回線の2タイプを有線の光回線が圧倒しています。
これは、無線では最新の5Gを含めた実態速度の比較です。
YouTube閲覧に推奨されている通信速度は?
YouTubeのヘルプでは、システム要件の中に、各動画形式の再生で推奨されている、おおよその速度が明示されています。
動画の解像度 | 推奨される持続的な速度 |
4K | 20 Mbps |
HD 1080p | 5 Mbps |
HD 720p | 2.5 Mbps |
SD 480p | 1.1 Mbps |
SD 360p | 0.7 Mbps |
(出典:YouTubeヘルプ)
利用する動画の解像度が高いほど、必要とされる速度も速くなっています。
先ほどの回線別の実態速度と比較すれば、閲覧に必要な下りの通信速度はどのタイプもクリアしています。
それなら、無線でも有線でも別段構わない事になりますが、それほど簡単でもありません。
通信計測のために接続しているサーバーと、YouTubeのサーバーは当然異なるため、通信計測で出ている速度が、そのまま利用出来る訳では有りません。
また、同じ回線を利用していても、利用環境だけでなく時間帯などでも、実際の回線速度は変わってきます。
時間帯でも変わる通信環境
(出典:総務省)
このグラフは、「総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課」が、2022年2月に発表している、「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果(2021年11月分)」から引用したものです。
これは、協力ISP(プロバイダの意味で、後述します)5社からの情報による集計値で、固定系ブロードバンドサービス契約者の曜日/時間帯別トラヒックの変化を過去5年との比較をしたものです。
トラフィックとは、インターネットでやり取りされるデータ量です。
YouTubeの閲覧に大きく関わる、左側にあるダウンロードのグラフを見てみましょう。
このグラフが表しているのは、平日の帰宅してからの時間帯19時から21時に利用者のピークを迎えていて、利用が少ない時間帯に比較して、最大で4倍以上の差が出ているということです。
土日の休日では昼間の時間帯から、データ量が増えてている事も読み取れます。
このデータは光回線のデータですが、無線回線でも同様の傾向になっています。
インターネットの状況は道路状況に似ていて、利用者が増加すれば必然的に速度が低下します。
快適にYouTubeを利用するための一つの手段としては、明け方や平日の日中の視聴が良いのですが、現実的な対応策とは言えません。
同時視聴は掛け算
YouTubeが莫大なデータ量を保管しているのは間違いなく、一箇所のサーバーではなく、複数の数多いサーバーで運用されています。
同じ動画視聴を同じ時間帯に閲覧する視聴者が集中した場合、理論上は送り出すYouTube側には、視聴に必要な速度の掛け算の帯域が必要になり、充分な対策を講じているYouTubeでも、人気如何によっては速度低下や遅延が発生します。
同様に、家庭で家族が複数端末で別々にYouTubeの視聴を行った場合、4Kの利用者が4人居た場合、推奨される持続的な速度20Mbps×4人=80Mbpsが必要になります。
この時点でモバイルルーターの利用は、単純な数値的にも無理が有りますが、注意が必要なのは「持続的」という注釈です。
先の総務省のデータを見ても明らかですが、利用者が一気に増加する時間帯では、持続的・安定的に通信速度を維持するのは、特にロスの多い無線回線では困難になります。
YouTubeの利用は光回線が最適
先ほどネットトラフィックを道路に例えましたが、回線の違いによる通信速度は、自動車のエンジンと考えれば合点がいきます。
同じA地点から数百キロ離れたB地点に移動する場合、1,000ccのコンパクトカーで移動するよりも、大排気量の高級セダンの方が快適なのは想像に難くありません。
時間帯の変化や家族の複数端末同時利用など、ロスも含めた様々なマイナス要素に対して、継続的に快適な通信環境は光回線です。
では、光回線ならどこでも同じか?と言えば、そうでもありません。
同じ回線でもプロバイダで回線速度は変わる
(出典:NTT東日本)
先ほど総務省のデータをご説明したところで、ISP(プロバイダ)というものが出てきました。
この、接続業者プロバイダについてご説明します。
プロバイダって何?
どんな回線でも、インターネットの利用には、接続業者プロバイダが不可欠です。
プロバイダは、利用者のネット内での住所(IPアドレスと言います)を特定させて、インターネット上のデータのある場所(サーバーと言います)に接続を行って、必要なデータを、回線を使って利用者とやり取りしています。
たとえば、YouTubeを利用する場合、利用者は回線を通じてYouTubeのこの動画が視聴したいとプロバイダに送ります。
プロバイダは指定されたYouTubeのサーバーに接続して、必要なデータを入手して、回線を通じて利用者に届ける事で、動画視聴は行われています。
プロバイダによって行っている一連の動作は変わりませんが、通信品質は同じ回線を利用していても変わります。
先に登場している「みんなのネット回線速度」で、NTTの光回線「フレッツ光」を利用した場合の、プロバイダによる通信品質の違いを確認してみましょう。
「フレッツ光ネクスト × OCNの通信速度レポート」
直近3ヶ月に計測された15167件のフレッツ光ネクスト × OCNの測定結果から平均値を計算
平均Ping値: 20.85ms
平均ダウンロード速度: 284.5Mbps
平均アップロード速度: 209.9Mbps
「フレッツ光ネクスト × hi-hoの通信速度レポート」
直近3ヶ月に計測された355件のフレッツ光ネクスト × hi-hoの測定結果から平均値を計算
平均Ping値: 30.31ms
平均ダウンロード速度: 131.61Mbps
平均アップロード速度: 160.19Mbps
同じ光回線(フレッツ光)なのに、プロバイダが異なるだけで、YouTubeの通信環境に大きな影響を及ぼすダウンロード速度は、倍以上の違いが出ています。
同じ回線でも回線品質が変わる理由
(出典:NTT東日本*一部改変)
この同じ回線を利用しても起こる品質差の大きな要因は、利用者がプロバイダに接続した以降の、インターネットに接続する回線は契約している回線とは異なり、プロバイダごとに違う「バックボーン」の違いにあります。
このバックボーンの拡大や維持管理は、非常にコストが掛かるため、利用する契約者の人数や、利用されるデータ量に対して、適正な太さにしておく必要が有ります。
ここで再度、総務省のトラフィックの変化のデータを見てください。
協力しているプロバイダによって、取り扱っているデータの量が、ピーク時には最大5倍の開きが有ります。
プロバイダごとの契約者によって、利用傾向が大きく異なるとは考えられず、トラフィック量は契約者数に比例しています。
先の総務省のグラフ内の赤線が、最も人気の有るプロバイダで、多くの契約者を有しています。
快適な光回線選びは、通信環境に大きく影響するプロバイダ選びが重要
人気プロバイダでは、多くの契約者に対して適正なバックボーンを保つ、適切な設備投資を行い、合理的に捌く術である技術力を持っていて、快適な通信環境を契約者に対して提供出来ているからこそ、人気プロバイダとして存在することが出来ています。
逆に契約者数が少なくても、それ以上に設備投資が抑えられて、技術力が伴わないプロバイダでは、快適な通信環境の提供は難しいと言えます。
プロバイダで通信費は変わる?
プロバイダによって月額料金は異なるため、通信費として支払う費用は、当然変わって来ます。
日本最大のシェアを誇り、唯一47都道府県で利用出来るNTT東西の「フレッツ光」は、個人契約の場合、回線とプロバイダがセットになった、「光コラボ」での利用が圧倒的に多くなっています。
出典:NTT西日本*一部改変
プロバイダを別契約するよりも月額料金が安価になり、対応窓口や支払先も一箇所で済む事が、光コラボが人気の理由です。
フレッツ光では、プロバイダ選びが光コラボ選びと同義語です。
光コラボに参加しているプロバイダは、NTT東日本エリアで530社・NTT西日本エリアで235社が有り、それぞれが個性的なサービスを競い合っています。
その中で、通信費のトータル費用に大きな影響を及ぼすのが、スマートフォンの月額料金を割り引く「セット割」です。
セット割とは?
スマートフォンの月額料金を安くするセット割は、3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)が、自社系列の光回線を利用する事で適用される割引が有名ですが、同様の割引を行っている光コラボが幾つもあります。
キャリアの割引を行っている光コラボもありますが、ここでポイントになるのは、格安SIMのセット割です。
光回線がある前提で考えれば、自宅ではスマホも含めてWi-Fiでインターネットを行う為、スマホで契約しているプランのギガを消費しません。
契約プランは外出時だけに消費する容量を契約すれば良いので、キャリアのメインプランである無制限・大容量プランは不要です。多くの方は3GBから7GB程度の小容量プランで充分になります。
しかし、キャリアの小容量プランは割高な料金設定で、セット割など割引制度を駆使しても、高額である事に変わりません。
小容量プランの利用なら、明らかに格安SIMが安くなり、その安価な価格にセット割を適用させる事で、通信費のトータル費用は大きく節約出来ます。
数多くある選択肢の中から、プロバイダの品質が高く、YouTube視聴などの動画視聴等の複数端末の接続にも充分なポテンシャルを持ち、格安SIMにセット割が適用出来る光回線をご紹介します。
家族でYouTube利用に最適でオススメの高コスパ回線①「OCN光」
(出典:OCN光申込サイト)
OCN光は、世界有数のバックボーンを有しながら、光コラボでは最安値級の、一戸建てタイプで5,610円・マンションタイプで3,960円という価格設定と、格安SIM「OCNモバイルONE」のセット割で、トータルの通信費を抑えながら、高品質の回線利用が出来る事で大人気です。
世界有数のバックボーン
世界的なTier1(ティア1) IPバックボーンを、OCNでは保有しています。
ティア1とは、インターネットの根幹部分を支えている太く広い通信網であり、アメリカAT&Tなど自前で通信ケーブルを引いている、世界に十数社しか無く、日本では唯一OCNだけが該当しています。
複数端末でYouTubeを利用してもサクサク利用が出来る、世界有数の通信環境が安価に使えます。
OCNモバイルONEのセット割
(出典:OCNモバイルONE公式)
「OCNモバイルONE」と「OCN光」を組み合わせる事で、安価なOCNモバイルONEの料金が更に割引きされ、通信費のトータル費用を大きく下げることが可能です。
通信容量/コース名 | 月額料金 | セット割 | 実質金額 |
500MB/月コース | 550円 | - | 550円 |
1GB/月コース | 770円 | 220円 | 550円 |
3GB/月コース | 990円 | 220円 | 770円 |
6GB/月コース | 1,320円 | 220円 | 1,100円 |
10GB/月コース | 1,760円 | 220円 | 1,540円 |
500MBのコースを除き、スマホ一台あたり毎月220円が「セット割」で割引されます。
最大で家族5人まで適用されます。
たとえば、マンションにお住まいの家族3人が、光回線にOCN光+3GBコースのOCNモバイルONEを利用した時の通信料トータル金額は、3,960円(OCN光)+2,310円(OCNモバイルONE 3GB×3人分)=6,270円 になります。
キャッシュバック
OCN光では、キャッシュバックキャンペーンを行っています。
キャッシュバック特典の詳細は、以下をご覧下さい。
家族でYouTube利用に最適でオススメの高コスパ回線② 「@TCOMヒカリ」
(出典:@TCOMヒカリ申込サイト)
@TCOMヒカリは自社データセンターを保有し、自社光ファイバーケーブルを運用するなど、高い技術力と設備を保有しながら、一戸建てタイプで5,610円・マンションタイプで4,180円の月額料金の他、豊富な特典で人気の光コラボです。
格安SIMの「LIBMO」で、スマホ一台あたり毎月220円が「セット割」で割引されます。
最大で家族5人まで適用されます。
LIBMOのセット割
(出典:LIBMO公式)
格安SIM「LIBMO」の月額料金と、@TCOMヒカリを組みあわせて利用する事により適用される、「セット割」は以下になります。
〇納得プラン | |||
データ容量 | 通常料金 | @T COMヒカリ 月額割引額 |
実質金額 |
3GBプラン | 980円 | 1回線 220円/月割引 | 760円 |
8GBプラン | 1,518円 | 1回線 220円/月割引 | 1,298円 |
20GBプラン | 1,991円 | 1回線 220円/月割引 | 1,771円 |
30GBプラン | 2,728円 | 1回線 220円/月割引 | 2,508円 |
たとえば、3GBプラン980円が、@TCOMヒカリと「セット割」を適用することで、月額760円になるので、マンションタイプの場合なら760円+4,180円=4,940円が、トータルの通信費です。
キャッシュバック
@TCOMヒカリでは、キャッシュバックキャンペーンを行っています。
キャッシュバック特典の詳細は、以下をご覧下さい。
12ヵ月の間、月額料金割引
契約から12ヵ月間、月額料金が割り引かれます。
戸建てタイプでは月額440円が割引きされ、マンションタイプでは月額330円が12ヵ月割引きされます。
戸建てタイプで5,610円が12ヵ月間は5,170円になり、マンション集合住宅タイプでは、4,180円が12ヵ月間は3,850円になります。
工事費無料
最大19,800円の工事費が、今なら工事費が無料になるキャンペーンを行っています。
エリア内の戸建て限定なら「NURO光」も選択肢
(出典:NURO公式)
フレッツ光を利用する光コラボの通信速度公称値は1Gbpsですが、NURO光の公称値は倍の2Gbpsになっているため、YouTubeの快適利用に、フレッツ光を使う光コラボ以外の選択肢としては、最有力になります。
NURO光の月額料金は、マンションも戸建ても同じ5,200円です。
ただし、以下の様な制約とデメリットがあります。
マンションでは殆ど利用が出来ず、戸建てもエリアは限定されている
マンション集合住宅での光回線の利用は、共有スペース内まで引き込み工事している回線しか、基本的には利用する事が出来ません。
光コラボで使うNTT東西のフレッツ光が、全国で多くのマンション集合住宅の共有スペース内まで引き込み工事が完了しているのに対し、NURO光が引き込まれている建物は極めて少なくなっています。
一戸建て住宅でも、フレッツ光が47都道府県全てで利用が可能で、高い人口カバー率を実現しているのに対して、NURO光が利用出来るエリアは大幅に限られています。
(出典:NURO公式)
NURO光は、以下の地域でのみ利用できます。
【北海道エリア】 北海道
【関東エリア】 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県
【東海エリア】 愛知県、静岡県、岐阜県、三重県
【関西エリア】 大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県
【中国エリア】 広島県、岡山県
【九州エリア】 福岡県、佐賀県
提供エリアの県内でも、全てで利用が可能ではありません。
導入までに時間が掛かる
光回線の利用には導入工事が必要になりますが、申し込んでから工事が完了して利用出来るまでの期間は、回線によって異なります。
光コラボのフレッツ光の期間目安として、概ね2週間から1ヵ月程度で完了しますが、NURO光の場合、マンション集合住宅タイプで2ヵ月から3ヵ月程度・一戸建てで1ヵ月から3ヵ月程度が概ね掛かります。
利用するエリアによっては、更に時間が必要になり、福岡県、佐賀県、岐阜県、北海道エリアは工事状況によって、さらに1~2カ月程度が加わる可能性があります。
また、NURO光の回線導入工事は、立ち会いが必要な、宅内工事と宅外工事が分けて行われるため、更にスケジュールの擦り合わせが必要になります。
スマホのセット割が事実上無い
NURO光のセット割は、NURO光でんわを利用する事で、最大1,100円が割引されるソフトバンクの「おうち割 光セット」が有りますが、前述の様に3大キャリアの通信プランは割引を適用させても割高だと言え、現在は固定電話が不要なユーザーも多く、メリットとは言えません。
現在は、NURO光とNUROモバイルを組みあわせる事で、1年間0円で利用出来る「NUROモバイルセット割特典」を行っていますが、通常のセット割とは異なり、一年間の限定になっています。
長期的な利用が多くなる光回線との組みあわせ割引としては、メリットとしてオススメするのには疑問があります。
また、セット割が効果を発揮するのは、長期利用に加えて、家族で利用する事にありますが、NURO光の契約と同時に契約した、NUROモバイルのみ適用される条件では、現実的に家族みんなでの移行には無理が有り、やはりメリットは事実上薄いと言わざる得ません。